「ACT式ビジネス心理講座」(全12回/各3時間程)は、日本ビジネス心理学会での研究と実践を統合する心理技法を6つのテーマで計12回行うものです。これは実践的と同時にビジネス心理検定試験の認定講座でもあるためポイント付与されるものです。
リアル会場(新宿・渋谷)だけでなく、講座の記録動画が遠方の方も受講ができます。6人までの少人数制で”対話”(ダイアローグ)を重ねていく方式であり、それ自体が相互コーチングにもなるものです。解説的なこと以上に、参加メンバーの相互の語り(ナラティブ)から学びとる「言語化」の力に注力する講座です。
そのメソッドのキーが「ACT」(アクセプタンス&コミットメント・トレーニング)です。これは第三の認知行動療法とも呼ばれた“ACT”(※ここの“T”はセラピー)と、さらにプラスして「スキーマ療法」(※スキーマとは認識の枠組みのこと)を人材育成・組織開発に統合するものです。この二つの原理をビジネス心理学に応用した日本初の講座です。
※各講座の詳細は次ページよりご参照ください。
※詳しい講座情報、次のページをご参照ください。
■当講座を受講することによるメリットと特典 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
✔特典1:少人数6人制/欠席しても記録動画で視聴可/当検定受験の二つの能力育成
当講座は少人数6人制で講師との対話型による学びを基本としながら、カード利用やマップ作りをして最新の心理学の成果を実務に応用できるよう構成しています。また、AIも個人で活用できるようにするためPC持参(不得意な方もフォロー)となります。
また、その講習記録動画が後日視聴(受講者は無料/ネット視聴のみの方も定価5割引き)できるので欠席しても安心です(※参加者の映像は撮りません)。とくに経営・人事や営業・広告のコンサルタント・コーチをめざす方や企業内で専門に役立てたい方に最適です。
そのために、講座ではとくに「問題設定力」と「概念構成力」(※キーワードの関連性理解)の育成を重視しています。この二つの能力がビジネス心理の応用力を決めるものだからです。
✔特典2:認定講座を受けると検定合否のポイント得点が付与
当講座では1講座が3時間を単位にしており2点分のポイント得点がつきます。検定試験の受験者は申請すれば合否判定時に試験の点数に加算されるものです。
✔特典3:上級検定コースへの「飛び級試験」を受けられる機会も得られる。
認定講座を30ポイント以上の回数(※15回)まで受けた場合、初級・中級を受験せずに上級検定(面接試験のみ)を「飛び級コース」で受けることができます。
✔特典4:受講料がセット数毎に割引き/遠方の方は記録動画の視聴のみも可(5割引き)
受講料(税込み)は1講座=¥8,000、3回まとめてのセット料金にすれば3割引きの各¥5,600、6回まとめのセット料金では5割引きの各¥4,000となります。
また、遠方でリアル講座に参加できない方は記録動画が上記の条件のさらに各5割引きでセット料金での視聴もできます。(例:3回まとめで各2,800、各6回まとめでは各¥2,000)
学生はさらに上記の一般のセット価格など全て半額とします。(例:リアル受講6セットで各¥2,000)。またポイント得点は記録動画視聴のみでも同様に付きます。
【講師】匠 英一
日本ビジネス心理学会副会長/元デジタルハリウッド大学教授
認定ビジネス心理上級マスター、日本初の認知科学専門のコンサル会社を東大医学部の研究者らと1990年に創設し、アップル社や住友3Mなど100社以上のコンサルに従事。TV出演も多数。
全ての講座にわたり解説指導・コーチングをしていきます。
【副講師】荒木 綾子
認定ビジネス心理上級マスター、他キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、ファイナンシャルプランナーの有資格者としてメンタル支援の業務に従事。
各講座で、チーム学習など必要に応じてサポート役として担当。
< ACTビジネス心理講座の内容の詳細ご案内 >
※各会場の情報は最下段のページにまとめてアクセスなど記載しています。
※講座番号:25B1
●09/06(土)午前部/10:15〜12:45【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第1回)/「人+組織」の診断分析ツール編』(前半)
性格診断や適性診断、そして組織のレジリエンス診断など心理学の診断法には利便性と落し穴が多くあり、その原理を知らないで”客観的なもの”と信じ込んでしまうと失敗します。その原理的な問題と合わせてインタビューや質問の基準設定など何が測定の対象に適切か、その診断の”コトバ”に注目して利用の最適な方法原理(メソドロジー)を学びます。
「嫌われる勇気」でTVドラマにもなったフロイトと並ぶアドラーの心理療法では、「性格診断」に対して否定的です。「性格」というものをその時点で固定化して判断してしまうリスクがあると考えるためです。性格がいかに統計的な妥当性のある形で診断されたとしても、それがその時点での静止した特性であることに変わりません。
そんなことから、ビジネス心理学では性格や能力ということを「評価モデル」とみなし、感情の「EQ」や知性の「IQ」と、さらに人間関係や道具との関係性の「SQ」や行動力の「AQ」論が付け加えています。これらの4つは米国経営学者リチャード・シェルが自著「ウオートンスクールの本当の成功の授業」でも紹介しているものです。
それに加えて目的の「OQ」を加えたものがビジネス心理学会で開発した「5Q」のモデルです。この“O”は「Object」(対象)であり“めざすもの”という意味ですが、アドラーやドラッカーの目的志向を能力評価論に組み込んだものです。たとえば、人事がおかす採用面談での主な心理バイアスには次のようなものがあります。
※講座番号:25B2
●09/06(土)午後部/13:15〜14:45【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第2回)/「人+組織」の診断分析ツール編』(後半)
「仕事力診断」(ビジネス心理学会監修を事例にしながら、「5Qモデル」の企業・学校での組織改革などの成功・失敗を検討しながら、その具体的な活用方法とメタファーを使った診断内容の理解の効果について学びます。
未来の在り方に重きをおくオープンな「解決志向」なのか、部分的な悪い点探しのクローズな「問題志向」なのか。そうした戦略的な判断基準の認識から始まり、自社での新しい診断法を想定することで、隠れた問題が浮かび上がってきます。とくにその”場”がどういう文化心理的なものか、診断そのものよりも重視している点に特徴があります。
適職診断モデルの標準としてホーランドの「職業適性モデルCPS-J」は、世界的な適性診断法です。これは「個人的な性格」と「職務環境」とがどの程度マッチしているかという職業の適性度を決めるとするものです。講師の匠英一が商法開発した商品例(2010年頃)では、このホーランド説をさらにE・シャイン説の「キャリア・アンカー」の視点を組み込んで適性度をあげる方法を開発しています。それは6つのパーソナリティ・タイプを6角形で表現するものです。
その特徴としては、①六角形上の隣り合う分野(例えば「社会的」と「芸術的」)はとても類似している。②六角形上の反対側に位置する分野(例えば「社会的」と「現実的」)は最も相互の類似点が少ない。こうした内容をパターンとして質問に対応させてネット上で適正診断をするものでしたが、その診断の「状況」の問題点などあえて検討しながらネット利用の利便性とリスクを心理学的に理解していきます。
※講座番号:25B3
●09/27(土)午前部/08:30〜11:45【会場】貸会議室『ルームB』
『ACT式ビジネス心理講座(第3回)/顧客分析マップ編』(前半)
顧客がどんな購買体験を通じて顧客満足を得てリピータへとつながるのか。そのプロセスをマップにしたものが「カスタマー・ジャーニ・マップ」ですが、その具体的な開発・利用法についての誤解が多くあります。とくに顧客満足度(CS)を狭く理解した営業・販売のプロセスを分析してみると、めざす成果と満足の指標が一貫したものにならずトレードオフ(矛盾)の問題を抱えてしまっています。その課題にACT式顧客分析がどう役立つかをカスタマー・ジャーニ作りをしながら学びます。
あるシニアの男性客が妻の誕生日なので生演奏のあるレストランを予約して行ったときのこと。超高層ビルの最上階からみた夜景はすばらしく、そこで歌を聴きながらディナーを楽しめるはずでした。ところが、店の中央付近の客席は団体客の貸し切り状態で、派手な拍手や祝辞で歌など聴く様子もなく、自分達の話で盛り上がっています。これはお客側のマナーの問題でしょうか。
根本的な問題は、このレストラン側の顧客へのサービス観にあります。生演奏を聴きたくて来る常連客と一時的に楽しむ団体客、この場合の“価値”をどこに求めるかです。シニア客は「生演奏の歌」を聴かせてくれると思って来たのですが、そんな雰囲気ではありません。これなら居酒屋でも同じことで高いレストランに来る必要はありません。店側にすれば、団体客は売上に貢献することは間違いありません。しかし、生演奏を大事にするより“売上を守る”姿勢に常連のリピータ客はついてくるでしょうか?
ビジネスでは必ずこうした矛盾した“価値”の選択を迫られる場面があります。そのときに大事なことは何を価値(理念)として顧客に提供するかが問われるのです。その意味で“理念”とはあれもこれもする発想とは違います。このレストランは、それがブレてしまっていたのです。
当講座は、まずこうした顧客の体験プロセスをマップ化しながら、その顧客の心理変化を認識し、ぶれないサービス・販売の手法を習得していく内容です。
※講座番号:25B4
●09/27(土)午後部/13:45〜17:45【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第4回)/顧客分析マップ編』(後半)
作成されたカスタマー・ジャ―ニ・マップの利用が現場でどのように進められるのかを事例と合わせて検討しながら、他のKPI指標との統合的な視点や実際の顧客行動の改善プラン(リード管理やナーチャー管理)を検討していきます。とくに「顧客コミュニティ」の活かし方など一企業を越えた顧客視点が養われる内容です。
顧客満足に大きな影響を与えるのは、その顧客の「初期期待」と実際の利用後の充足感のギャップです。このギャップをどう埋めればよいかということが課題となってきます。その方法が「期待マネジメント」であり、いかに見込み客側の期待を”最適なもの”にするかが重要になります。それは商品の良い点の提案をするだけでなく、悪い点を予め初期の段階でしっかり伝えるようにすることだからです。
一見すると相手が不満足になるかもしれないと不安に思いますが、それをあえて長期的な視点で我慢するのです。つまり、「満足度」は“相対的”なものであって基準が変われば同じ事実でも”不満”に変わるのです。そして、このような評価法を「先取り行動診断」と当会では呼び、「期待ギャップ調整シート」の作成法を提唱しています。当講座ではその作成の原理だけでなく、自社の実践プロセスに応じた全体イメージを理解してもらえるよう学ぶ内容を構成しています。
※講座番号:25B5
●10/18(土)午前09:45〜13:15【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第5回)/理念経営ツール「クレド」編』(前半)
組織メンバーの価値観を一致させ、経営理念にそった行動をとるには「クレド」とよばれる手帳式の”誓い”や”約束”の文書が有効であることが実証されています。成功モデルとなる他社の理念経営の実践事例も学びながら、自社特有の理念モデルを作成するプロセスで生まれてくる障害や反対意見など検討します。そして、組織・人の改革の在り方を含めた理念の持つ意義や効果の心理学的な要件と成功の条件を学びます。
企業組織の理念や価値の“コトバの現れ方”の特徴には次のようなものがあります。
※講座番号:25B6
●10/18(土)午後部13:45〜16:15 【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第6回)/理念経営ツール「クレド」編』(後半)
クレドを自らの組織の在り方をテーマ(例:心理的安全性等)作成しながら、その心理作用や文案の作成法についてACT式の「クリーンランゲージ」から学びます。「クリーンランゲージ」はコトバの意味を転換し見方を柔軟にする言語化のメソッドです。このカード式の言語化の方法を使いながらクレドの活用法を習得します。
当講座では「クレド」の作成と分析を通じてコトバの持つ心理作用とその有効性が何かを理解し、実践の方法を習得します。たとえば、次のような若手社員とのコーチング場面を想定します。
コーチ:クレドに書かれた『広い海をめざす』とは、どんな海ですか?
社 員:私の感覚では波は穏やかで、でも遠くに新しい島が見えるという感じですね
コーチ:その『新しい島』には、何がありますか?
社 員:挑戦と成長の機会がある気がします。
こうしたクレドに書かれたコトバを媒介にした対話の過程では、字義的な意味を越えたイメージが作られ、対話もはずみます。そして、その比喩的世界の中で選択の幅が広がり探索を繰り返すことができます。そうした思考の探索では、もしメタファーがなければ問題のある悪い所探しや常識的な道徳観が働き、偏見などで制限されてしまいます(左参照)。このように、当講座では「クリーンランゲージ」の手法を活かして、カード式のマップ作りを行いながらクレド作成法とその内容を深め、対話から学びとるACT式の能力を習得していきます。
※講座番号:25B7
●10/19(日)午前部09:45〜12:15【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第7回)/組織改革のための「目標管理」編』(前半)
当会のACT式の目標管理について、以下のような「弁証法」の活動の観点から目的志向型の組織改革を学びます。
①人・組織の価値(理念)への一貫性/②“あるがまま”の人・組織を受容性/③明日のために今を犠牲にしない実践性/④否定的なものの中に肯定的な次の成長をみる展望性。
次のようにACT式の管理では、価値(意義)の理解にまず時間と労力をかけます。その次に問題点となるものを探し、それに気づく必要があります。これは問題解決の一般的な手順にみえますが、ネガティブな感情をあるがままに受け止める点が異なります。それを見ぬふりするのではなく、そのまま見据えるわけですが、当初はどうしても感情的に排除したり正当化したくなってしまいます。なぜなら過去の体験の中で蓄積されてきた思い込み(スキーマ)が根強くあるからです。それを取り払うという行動が4番目の「脱フュージョン」なのです。
※講座番号:25B8
●10/19(日)午後部12:30〜15:15【会場】貸会議室『未来スペース新宿U』
『ACT式ビジネス心理講座(第8回)/組織改革のための「目標管理」編』(後半)
ドラッカーの目標管理の視点を導入しつつ、さらにACT式マネジメント法は個人が価値に基づいて行動し、感情や思考に柔軟に対応する力を目標管理に柔軟に活かす心理手法です。この目標管理法が実践の場ではどんな課題や矛盾が起きるのかを理解し、その対応・や関連する組織改革の事例と方法の具体策を学びます。
多くの企業では目標管理(MBO)が実施されていても、個人のセルフマネジメントとつながらないため実践活動の改善に至らないケースが多くあります。講師のコンサル先企業や味の素社の「パーパス経営」の事例分析から、ドラッカーが強調したセルフマネジメントとの関連性を次の視点から習得します。
※講座番号:25B9
●11/08(土)午前部09:45〜12:30【会場】貸会議室『新宿フォレストスペース』
『ACT式ビジネス心理講座(第9回)/チーム創りのためのコーチング心理編』(前半)
これまでのコーチングは個人単位での能力主義であり、しかも「傾聴力」がベストのように思われてきた経緯があります。しかし、今求められているのは二人以上のチーム単位での価値主義ともいうべき変化がおきています。この新しい流れは心理学を現場の中での”状況”(仕組み・制度的な文化装置)でみる必要性と一体となっており、チーム創りが新たな装いで重要な課題となっています。そこにACT式がどんな効果と成果を生むのか、具体的な「スキーマ・カード」(日本ビジネス心理学会監修)という手法で相手の心理行動の基本パターンを理解する方法を学びます。
コーチングでは傾聴力といったことが指導の原則とみなされています。ですが、ここにはよく聞けば相手が“気づく”と思い込む誤解があります。そうではなく、相手とコーチの関係性の中にある成長への“リソース”、それを見出し育てる次の力が育成の要となるものです。
※講座番号:25B10
●11/08(土)午後部13:15〜16:15【会場】貸会議室『新宿フォレストスペース』
『ACT式ビジネス心理講座(第10回)/チーム創りのためのコーチング心理編』(後半)
コーチングの実際の場で「クリーン・ランゲージ」という手法から見直していくと、そこに互いのコトバの持つ力の誤解や認識の歪みが浮き上がってきます。二人がペアになり自分の語るコトバを後で録画を見直しながら、その対話の中でおきるコトバのズレを分析していきます。また、何かの取引場面を設定して、互いの交渉でどんな優位性を取ろうとするのか演習します。これにより、自分にとっての常識的コトバ(※ナラティブ)が人にどういった影響を与え、また自分に跳ね返ってくるかに気づくことになるのです。
「クリーンランゲージ」がよく使うのはメタファー(比喩)による意味の転換。ただし、それだけでなく、動詞を過去にすることによって、その内容が過去にあったことを暗黙の前提にする方法などもあります。これらは短期心理療法のミルトン・エリクソンが使っていたものです。とくに現在形から過去形への動詞変換は隠れた心理効果をもたらすものだといえます。発話するコミュニケーションのプロセス自体が、今ある不満や痛みを過去の「あったもの」へと転換していくからです。これは嫌な出来事や失恋など心理的に落ち込む内容に対して中立化してしまう手法の一つといえます。
たとえば、「今、失恋して苦しんでいるのです」というコトバを「そうですか。”失恋した”ことから、”苦しんでいた”んですね」というように動詞を過去形にしてしまう。その結果として、コトバを返された相手は暗黙に過ぎてしまった事象へと認識を転換してしまうわけです。
こうした動詞型の“リフレーム”(意味転換)の方法は現状の見方を過去や未来を逆転して一度別の視点から発想転換してみるものです。それによって、自己の在り方の狭さや固定的な面に気づいて解決につながるというわけです。
※講座番号:25B11
●11/15(土)午前部09:45〜12:30【会場】【会場】貸会議室『KS1新宿御苑』
『ACT式ビジネス心理講座(第11回)/行動を誘発する「ナッジ」編』(前半)
”ナッジ”(Nudge)は行動経済学で知られるようになったキーワード。これは望ましい行動に誘導させる仕掛けを作るうえで「きっかけとなるもの」という意味で重要ですが、誤解も多く本来の心理学から離れて独り歩きしています。これはむしろ認知科学の最前線にある内容なのですが、まずは成功事例でどんなナッジの利用によるビジネス効果が生まれているのかを具体的な分析でパターンを分類していきます。すると、認知バイアスなど数多く言われていても、そこに共通する心理的法則性は意外に少ないことがわかってきます。
「ナッジ(Nudges)」とはノーベル経済学賞を受けた心理学者リチャード・セイラ―らが2017年から提唱した行動経済学のキーワードです。この概念は認知科学の「アフォーダンス」がベースになっており、今や人の習慣行動や生活環境の改善などに不可欠なメソッドになっています。ナッジの原義は「肘で付く」といった意味であり、ある程度行動の選択を「何となくしてしまう」ような“仕掛け”やモノのことだといえます。このナッジは「わかっているけれどやめられない」ような習慣行動を変えるのにも有効です。たとえば、男性トイレの便器の真ん中にハチの絵を的にする形で描くといった工夫がわかりやすいナッジの典型例です。
人の行動を変える”ナッジ”を仕組み化する方法には、日常の行動変化を起こすきっかけを探すことがポイントになります。何回も繰り返す習慣的な行動であれば、量・質のいずれかを10%変えてみて変化を試してみるのです。
当講座ではこうした変えたい習慣行動の典型パターンを分類し、それに応じた行動転換の仕方を“ナッジ”の次の3つの視点からカード・マップにして考案します。
※講座番号:25B12
●11/15(土)午後部13:15〜16:15【会場】【会場】貸会議室『KS1新宿御苑』
『ACT式ビジネス心理講座(第12回)/行動を誘発する「ナッジ」編』(後半)
“ナッジ”の原理の源流ともいうべき、「アフォーダンス」という認知科学の概念を理解することが重要です。その考えかたを応用するうえで、モノと人の相互作用の文化的な心理の働きをビジネス現場から事例を分析してみます。当講座ではナッジ作りのノウハウを「文化的アフォーダンス」として新たに体系づけ、応用範囲の広い能力の習得を目指します。
「ナッジ」によって当人も意識しないぐらいに当たり前にする行動になるわけですが、その”当たり前”(初期の標準)と思う効果が「デフォルト効果」と呼んでいます。その典型例がネットでサプリメントを売る定期販売の手法で、デフォルトとして「✔」を入れずに、そのままクリックすれば定期購入できる仕掛けになっています。
これは通常のナッジの原理によるメソッドですが、この意識しないで直ぐにできる“常識”(コモンセンス)による行動に目をつけると、もっと文化的な要因を活かす方法があることが最近注目されてきています。
たとえば、米国のトヨタ社には社内の一角に神棚を置いた部屋があるといいますが、この神棚があることによって社員らの行動が神聖なものへの“敬意”につながるようなことが起きます。そこで当講座では、この文化的な視点からのナッジの手法を独自に開発し、行動経済学の狭いナッジ論を越えた「文化的アフォーダンス」という原理を提唱しています。
ここでそれを定義すると「文化的に共有された意味や価値が環境の中に埋め込まれ、“行動可能性”として知覚される」というものです。そこから行動改善の「文化的仕組み化」を考案していくことで、たとえば「御守り」を持つ心理効果など、日本特有の文化心理をビジネスに活かす方法なども習得できる内容となっています。
・・・・・・・【各講座会場の名称とビルと地図の情報】・・・・・・・・・
★貸会議室『未来スペース新宿U』
新宿区新宿5丁目18番20号 ルックハイツ新宿401号室 ※新宿三丁目駅E1出口歩20秒
https://www.spacee.jp/pre_bookings/share/d9388de23d4f45f0a750876a63362882
★貸会議室『新宿フォレストスペース』
新宿区新宿5丁目18番20号 ルックハイツ新宿707号室 ※新宿三丁目駅E1出口徒歩20秒
https://www.spacemarket.com/spaces/ntax_eklxttfpend/
★貸会議室『ルームB』
渋谷区渋谷2-22-7 共栄ビル5階
https://www.spacee.jp/pre_bookings/share/3f8b9b475300483f81414900085d07be
★貸会議室『KS1新宿御苑』
東京都新宿区新宿1-15-6 オリエント新宿10階1004号室 KS1会議室
https://goo.gl/maps/9NogsZPwgQx7gftJ8
【内容】 初回は試しの無料参加もOKです。講師役・コメンター役は当会理事(匠英一氏/渕上美恵子氏)、毎回持ち回りで参加メンバーが指定参考書の内容をレポート発表し、その内容を講師が解説。ZOOM式のため、自宅から夜7時に学習できる利便性があります。
会員制であるため年会費¥2万(税込み)を払えばいつでも参加できます。少人数制ですので、安心して疑問点など詳しく学ぶこともでき、それぞれの参加メンバーとの討議・交流も親密にできます。そして、当会の「認定」なので得点ポイントが受講時間に応じて付与(毎回につき1点)されますので、より確実に検定合格をめざす方にはお勧めです。
さらに上級コースをめざしたい方は「飛び級」を受けるチャンスになるため、1年以上継続して参加されることが条件となります。また上級資格者は当会の講師や“スーパーバイザー”への推薦・認定があります。
★参考動画⇒ https://www.youtube.com/watch?v=uMBrpxG3JEo
詳しく知りたい方はお気軽に事務局にお問合せください。
【申込】以下のフォームよりお申し込みください。